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♯67 憎しみ
2007-02-23 Fri 22:58
「ユウがヘンなこというから、心配になってきたじゃない!」
「しょうがないじゃん!そう思っただけだもん!」
ハナミの言葉に・・・急ぐようにユウが返す。
「ここでケンカしないでよ」
アミが呆れ声で言う。
「あれ?シュウとヒカリは?」
アキトが聞く。
「今は動く気分じゃないんだろ。自分のことでいっぱいさ」
マコトが返す。
「そうね・・・」
アミが相槌を入れた。

「・・・カエデだ!」
しばらく走ったところで・・・アキトが言う。
「リョウタは?」
ハナミが聞く。
「分からないけど・・・いってみる?」
アミが言う。
「そうだね」
ユウが答えた。

「おーい!」
マコトが声を掛ける。
「あ・・・」
カエデの目に・・・涙が浮かんでいる。
「どうしたの?」
ハナミが聞く。
「まさか・・・まさか、レイプなんてことは・・・」
アキトの顔色が変わる。
「・・・」
カエデは首を横に振る。
「じゃぁ、何があったの」
アミが問いただした。
「あ・・・のね・・・」
カエデは涙声で話し出す。


・・・・・・・

「ちょっとリョウタ!なんのつもりなの?!」
カエデが言ったところで・・・リョウタは止まった。
「・・・な・・・によ」
カエデはリョウタを睨みつける。
「お前さ・・・いい加減に気づけよ」
リョウタが話し出す。
「気づくって、何に?」
カエデが早口に聞く。
「何にって・・・自分で分かってねぇのかよ。お前に気なんかないってことだよ」
リョウタが暗いトーンで言う。
「・・・何よ。どういうことよ」
カエデの声のトーンが暗くなる。
「何を自意識過剰してんのか知らないけど、シュウはお前のことなんかなんとも思ってないってことだよ!」
「・・・・・・・・・そんなの、言われなくても・・・分かってるわよ・・・」
カエデの中に、激しい闇が襲う。
「残念なヤツだな。わざわざ誰かをスキにならなくても、お前をスキなヤツはいるのに・・・」
リョウタは遠くを見て言う。
「・・・何ソレ。そんな嘘までついて・・・そこまであたしが嫌い?!」
カエデは我慢の限界。
「あ~そうですよ。お前なんかいなくなっていいんだよ!お前なんか自信過剰でシュウに告って、フラレっちまえ!うざい!」
リョウタはそれだけ言うと・・・歩いてどこかへ言った。

・・・分かってるよ。言われなくても・・・シュウが遠いことぐらい。
なんでリョウタに言われなきゃいけないの?
それに・・・態度が変わった。なんで・・・・・・

気がつけば・・・自然と涙。


「・・・そうだったのか・・・」
アキトが言う。
「リョウタのヤツ、どうしたんだ?バカなアイツでも、そこまでヒドくなったことはないよな」
マコトが不思議そうに言う。
「シュウに直接聞くわ!そうよ!今回のことの原因は、シュウにあるのよ!シュウに好き嫌いをハッキリと・・・」
ハナミが言った時・・・
「それはやめて・・・。迷惑だもの・・・シュウは根が優しいから、きっと困るし・・・」
カエデがハナミを止める。
「でも・・・」
ハナミは涙でいっぱいのカエデを見る。

・・・みんなの顔が・・・いつも以上に引き締まった。


「・・・くそ・・・なんで言えなかったんだ・・・!」
リョウタは、歩きながら唇を噛む。

本当は・・・本当は、スキだと言いたかっただけ・・・。
なのに、なのにあんなこと・・・・・・。

「お困り・・・か?」
・・・謎の声がする。
「誰だ?!」
リョウタは辺りを見回す。
「私は・・・憎しみからできたもの・・・姿はない・・・」
「憎しみ・・・?」
リョウタは戸惑う。
「伝わる・・・お前から・・・誰かを恨む心・・・」
「なんだそれ・・・そんなの・・・」
「隠す必要はない・・・私はすべてが分かる・・・」
「んな・・・そんな・・・」
「なら私が操るまでだ・・・」
「?!」
リョウタの体に・・・違和感が走る。

憎いヤツは・・・殺してしまえ・・・


「・・・やっぱりシュウに聞いたほうがいいわよ!」
ハナミが言う。
「だめだよ。もしこれで、返事がヤバかったら・・・」
ユウが不安を顔に出す。
「シュウが、お前なんて嫌いだなんて言うわけないでしょ?!」
ハナミが小声で言う。
「じゃぁ、100%、スキって言うの?」
「それは・・・ノリでなんとかするのよ」
・・・2人の小声の会話。

「あ、リョウタじゃないか!」
アキトが驚くように言う。
「どこ行ってたの?」
アミが聞く。
「・・・」
リョウタは無反応。

オレの・・・嫌いなヤツ・・・?
大事なもの・・・大事なものをとるヤツって・・・誰だ?

アキト?アミ?ユウ?ハナミ?マコト?・・・いや、コイツらではない・・・

誰だ・・・?!誰なんだ!!

「リョウタ!」
「リョウタ・・・」

ダメだ・・・集中できない。場所をかえたい・・・

リョウタは歩き出す。
「あ、どこ行くの?!」
ハナミが大きな声で言う。
「また大騒ぎになりそう・・・」
ユウがつぶやく。
「リョウタ!ここは話し合おう!」
アキトはリョウタを止めに入る。
「やめろリョウタ!正気じゃないだろ?!」
マコトも加わる。
「・・・」
リョウタは一瞬で、2人を振りほどいた。
「大丈夫?!」
ユウが心配そうに聞く。
「あぁ・・・でも、すごい力だ」
アキトが言う。
「いつものリョウタじゃないな・・・」
マコトが眉間にシワをよせて言う。
「おいかけないと!」
ハナミが走り出す。
「お兄ちゃん、立てる?」
ユウがマコトに近寄る。
「大丈夫だ」
マコトはユウに言うと・・・走り出す。
「・・・ここで待ってる?」
アミがカエデに聞く。
「・・・ううん。行く」
カエデもみんなに続いた。


何度も・・・何度も考えていても・・・襲ってくるのは自己嫌悪。
あの時・・・ケンではなくて、自分が犠牲になっていれば・・・
ヒカリは泣かなくて済んだかもしれない。
自分のせいで・・・2人の犠牲者を出した。
曖昧な考えばかりが浮かぶ。

「ねぇ~、そんなにどんよりしないでよ。ヒカリも!」
フェナは、テンションをあげようとするが・・・ムリ。
「ヒカリさん。ケンさんはきっと見てくれます」
フェネも必死。
「・・・うん」
ヒカリは顔を上げる。

「リョウタ~!!」
みんなの声。・・・様子の違うリョウタ。
「どうしたの?」
ヒカリが聞く。
「リョウタの様子がおかしいのよ」
ハナミが言う。
「パワーも上がってるんだ!ケガしちゃったよ」
アキトが続ける。


・・・憎い人・・・?大事なヤツを奪う人・・・?
カエデ・・・そうだ、オレが欲しいのは、カエデだ・・・
だとしたら、ヒカリは関係ないんじゃ・・・
・・・・・・カエデを奪うヤツ?カエデのスキなヤツ・・・?

リョウタは、つかつかと歩き出す。

「リョウタ?どうしたの?」
フェナが見上げる。
「・・・」
リョウタは黙って拳を握った。
「シュウ~話ぐらい聞いたらどう?」
フェナが言う。
「・・・」
シュウは黙って立ち上がる。
「どうしたんだ?」
沈黙の末・・・シュウが声をだした。

憎いヤツは、徹底的に・・・

「・・・うゎわぁああああああああああ!!!」

バキッ!!

リョウタが叫んだ瞬間・・・効果音と共に、シュウが倒れこんだ。


・・・異様な空気が・・・静かに流れた。
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