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♯59 偽り
2007-01-17 Wed 22:16
「リョウタ!」
「・・・」
「リョウタってば!」
「・・・」
「ねぇ!!」
「・・・」
「リョウタ」
「リョウタ」
「リョウタ・・・」
「・・・」
・・・さっきとは反対に、リョウタが黙ってしまった。
「リョウタ!!」
「大丈夫だから!!」
カエデの言葉に・・・大丈夫という言葉が返ってくる。
「・・・そうじゃなくって!あたしのことはいいの!リョウタ・・・」
カエデは、リョウタが一瞬見せた暗い瞳が気になって仕方がない。
「今はお前の声なんか聞きたくないんだよ!!黙れよ、くそ女!」
さっきとは裏腹に・・・キツイ言葉が放たれる。
「なんなの?!今度はリョウタが黙って・・・というか、くそ女ってなによ!」
「うるせぇ!くそくそくそくそのく~~そ!!お前みたいな女なんかいらないんだよ、ボケ!」
「・・・」
「日本語通じてますか~?黙れっつてんの!!どっかいけっつってんだよ!」
「リョウタ!」
暴走するリョウタを・・・フェアが止まる。

パンッ・・・!!

気がつけば・・・リョウタはカエデからの一発を受けていた。

「なにすんだよ・・・?」
リョウタが目を開けると・・・涙でいっぱいのカエデの瞳。
「・・・最低!!だいっきらい!!そこまで言うなんてひどい!!」
カエデはそれだけ言うと・・・走っていってしまった。
「カエデ~!」
フェミが追いかける。

「リョウタ~・・・言い過ぎだったんじゃない?」
フェアが言う。
「・・・くそ女なんだよ。何が、離れていくだとか、心配だとか。うざいんだよ」
・・・今までのリョウタとは・・・まるで別人。
「アイツよぉ、好きなヤツいんのに、うざいよな。あーゆーのって、浮気しやすいタイプなんだよ。シュウもハタ迷惑だぜ、本当に可哀相・・・」
リョウタは淡々と語る。
「・・・本当に、そう思ってる?」
フェアが聞く。
「ったりめぇだ!うざい女は、うざい女以外の何者でもねぇんだよ」
リョウタは大ゲサに答える。
「・・・じゃぁ、なんで泣いてるの?」
フェアは・・・何かを勘ぐっている。
「泣いてなんか・・・っ・・・」
リョウタの目から・・・自然と涙が出る。

「本当は、カエデにそういうこと言ってもらえて、嬉しかったはずだよ。だけどカエデは、別の人・・・シュウが好きって分かってるから・・・悔しくて、カエデに当たったんでしょ?」
見事に図星をつくフェア。・・・裏の性格の発揮か?
「なんだそれ・・・でも・・・」
リョウタは本音をもらす。
「今すぐにでも・・・シュウとかわりてぇよ・・・」
リョウタの、胸の奥に秘めた思い。
カエデを応援する裏に・・・どこかむなしさがあった。
カエデの前で偽る自分・・・耐えられなくて当たってしまった。
「それを、素直にカエデに伝えようよ。当たったって、カエデは分かってくれないよ。乙女心はデリケート」
フェアが言う。
「今は・・・自分のことより、山に行くのが先だ・・・」
リョウタはそういうと・・・歩き出した。


「・・・これって、ホラー小説だっけ?」
「違うよ。妖精と人間の成長ストーリーだよ。・・・たぶん」
「じゃぁ、これ、なんなのよ」
動く地面にながされてきた、アキトたちご一行。・・・着いた場所は・・・
「ようこそ、偽りの洋館へ?ここは僕の家です。心臓病の方はお引取り願います・・・?」
アキトが看板を読む。・・・目の前には、不気味な洋館。
いばらに包まれた・・・なんとも言えない不気味さ。
「アンケートをとります!この洋館に入ろうと思う人!」

しーん

「退却しようと思う人!」

「はーい!」
「わても」
「わたしも」
「僕も!」
「あたしも賛成」
「じゃぁ、僕も」

「0;6で退却するに決定!」
アキトが言うと、みんなが退却のさんだんをとる。
『ニガサナイヨ・・・』
誰かの声がする。
「誰だ?!」
アキトが聞く。
「引っ張られていくよ!!」
ユウが焦る。
「誰もいないのに体が~~!」
アミもだ。
「なんだ?!まさか・・・あの洋館に・・・?!」

いやぁああああ!!ムリ~~!!!!


・・・洋館内

「・・・人体模型があるよ・・・ガイコツもいる・・・」
ユウが言う。
「こんにゃく?!・・・血が付いた!」
アミが続ける。
「これって・・・見るからに、おばけ屋敷のセットだな」
アキトが言った。
「そうだ。マッチもってきたんだ。ほら!」
アキトがろうそくに火をつける。
「あと2つあるから・・・1人1つね」
アキトは、アミとユウにろうそくを与える。
「ありがとう」
ユウが言った。

「とりあえず、まずはこの中を探索しよう。ドアは開かないみたいだし、別のところからでるしかない。じゃぁ、アミは2階、ユウは1階、僕は地下ね。探索が終わったら、1階の、この絵の前に集合で」
アキトは、1つの絵をさして言う。
「分かったわ。いきましょう」
アミとフェスは、階段を上って行った。
「全く、アミって想像してた性格と違うんだね」
「どんな想像だったの?」
ユウが聞く。
「なんかさ、ヒカリみたいに、大人な感じの子だと思ってたんだけど・・・」
「あぁ、僕も第一印象はそんな感じ」
「でも、今見ると、カエデとハナミの合体版って感じ?責任感とプライドの高さはカエデ似で、自信過剰で、自己中になりがちなのはハナミ似」
「あぁ!言えてるね!」
ユウも共感。
「僕らも探索しよう。ユウはこの階を頼んだよ」
アキトは地下へ。

「フェム。さっそく調べよう」
ユウが言う。
「うん!」
フェムが頷いた。
「まずはこの部屋」
ユウがドアを開ける。
「うわぁ・・・!広ぉおおい」
フェムは感激。
「テーブルとステージがあるよ」
ユウが言う。
「きっと、パーティかなんかをする場所なんだろうね」
フェムの言葉に・・・ユウは黙り込む。
「パーティ・・・」
ユウがつぶやくと、フェムも気づいたようだ。
「パーティーにおいでよ・・・って手紙が来て、ここにいるってことは・・・」
2人の顔が青ざめる。
「・・・?・・・テーブルが・・・テーブルがすけてるよ!!」
ユウがテーブルに手を置こうとしたとき・・・テーブルが透けているのに気がついた。
「もしかして・・・ここって・・・」
フェムが感づく。

フフフ・・・ようこそ・・・フフフ・・・ケケケ

「誰・・・?」
「ユウ!見て!飲み物が・・・浮いてるよ!」
フェムの指差した先に・・・ワインが浮いているのが見える。
「やっぱりここ・・・」
ユウも気づいたらしい。

いらっしゃい・・・ゆっくりしていって・・・ケケケケケ!!!!

「うわぁあああああ!!!!!」
周りのものが・・・浮き出した!

「なにこれ・・・やっぱここって・・・」
ユウが言う。
「偽りの世界なんだよ!!」
フェムが続ける。


偽りの空間の中で・・・迷い果てていた。
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