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♯53 傷跡
2007-01-11 Thu 22:31
・・・なんで、命を掛けた旅で・・・仲間のこんな姿を見なければいけないんだろう。
信じたくなかった・・・ココロが、それを拒絶した。
まさか・・・まさか・・・という言葉だけが頭をよぎる。

「マコ・・・ト?」
リョウタが再度聞きなおす。
「・・・そんな・・・嘘よ」
ハナミが座り込む。

信じたくない。何かの間違いだ・・・。

「やい!お前が・・・お前が洗脳でもしたんだろ!分かってるんだぞ!!」
リョウタは、信じたくない真実を・・・拒むように、言葉をぶつける。
「何を言っているの?私、洗脳術なんか使えないわよ。・・・契約したのよ。・・・この子の証を光らせるから、あたしの味方になる・・・ってね」
「嘘だ!そんなの・・・嘘だ!!」
ミルフェアの言葉を・・・リョウタがかき消す。
「何かの間違いだ・・・そうだ!それはCGなんだ!そうだろ?!」
アキトも、真実を受け止められない。

まさか、マコトが・・敵の味方になるなんて・・・信じたくも聞きたくもなかった。

「マコト・・・マコト、正気なの?!」
カエデが一歩前へ出る。
「考え直してよ。私たち、ずっと・・・ずっと一緒にいたじゃない」
カエデがマコトの目を見る。
「ねぇ・・・お願い!」
「ごちゃごちゃうるさいのよ!!」
カエデの言葉を・・・ミルフェアの言葉と攻撃がもみ消す。

「きゃっ?!」
カエデが後ろに倒れる。
「カエデ!」
リョウタが近寄る。
「大丈夫?!」
フェミが心配そうに言う。
「うん。平気よ」
カエデが微笑む。

「ちょっとコラ!正気に戻りなさいよ!今すぐ戻らないと、リンチじゃすまないわよ!」
ハナミが怒り気味に叫ぶ。
「・・・」
マコトは何も言わない。
「マコト!あんたリンチされたいわけ?!」
ハナミがつかつかと近寄る。
「おい!危ない・・・」
アキトが言うのも遅かった。
「うるさいっつってんでしょ?!」
ミルフェアが、さらに攻撃!

「ひやっ!」
ハナミが倒れこむ。
「いわんこっちゃないな~大丈夫?」
アキトが言う。
「もう!相手の攻撃が早いのよ!とっととやっつけちゃいましょうよ!」
「バカ!」
ハナミの言葉に、すかさず言葉を返すみんな。
「んなことしたら、マコトが死ぬだろうが!」
リョウタが言う。
「だって!マコトはもう敵なのよ!!倒していいじゃない!!」
ハナミが反論。
「おちつけよ、アイツはアイツなりに混乱してるんだろ」
シュウが間に入る。

「お兄ちゃん・・・」
ユウがマコトを見る。
「分かる?ユウだよ、お兄ちゃん。・・・僕のこと、忘れちゃったの?みんなのこと・・・」
ユウがマコトに近寄る。
「・・・ユウ」
マコトが手を出そうとする。
「坊やは手を出さないで!!・・・くそ坊主!どっかいきなさい!」
ミルフェアの攻撃が・・・ユウをめがけてとんでいく!

「あ!」
ユウが倒れる。
「ユウ!」
リョウタが近寄る。
「・・・お兄ちゃん!」
ユウはそれでも、マコトのもとへ走る。
「くるなっつってんの!!」
ミルフェアは攻撃を続ける。
「やだ!お兄ちゃんを・・・お兄ちゃんを返すまで、やめないよ!」
ユウは必死に走る。攻撃されて倒れては・・・また走る。
「・・・しぶといんだよ!!!!」
ミルフェアも攻撃を続ける。
「お兄ちゃん!お兄ちゃん!!」
ユウは、もう血だらけのキズだらけ。

「もうやめろユウ!お前が死ぬぞ?!」
リョウタがユウの手を掴む。
「いやだ!お兄ちゃんを返してもらうまで・・・!」
ユウはリョウタの手を振りほどき・・・また敵の元へ走る。

「・・・まさかここまでしつこいヤツがいたなんて・・・一時退却よ!」
ミルフェアは、マコトを連れ去っていく。
「お兄ちゃん!!」
ユウは追いかけようとするが・・・力尽きて転倒。
「もうやめろ!」
シュウがユウの両腕を掴む。
「そうだよ!ユウが死んじゃうよ!!」
アキトが足を掴む。
「お兄ちゃん・・・お兄ちゃぁぁぁぁぁぁあああああああん!!!!」
ユウが・・・泣きながら叫んだ。
・・・みんながその光景を・・・黙って見ていた。

・・・

「・・・っ!」
ユウのケガの手当てにかかる、シュウとアキト。
「・・・あれだけ・・・やるとは思わなかった」
リョウタがユウをちらっ、と見て言う。
「あたしもよ・・・それだけマコトを強く思っているってことよね・・・」
カエデが言う。
「お腹すいた~~~!!!!」
ハナミは相変わらずの自己中心的!!
「~~~・・・こんなときに・・・」
アミがため息をつく。
「全く・・・僕がなんか探してくるから・・・シュウ、あと任せていいかな」
「分かった」
アキトはそういうと・・・フェロとどこかに行った。
「オレたちは火の準備でもしようぜ」
リョウタが言うと・・・みんなが木を拾い始めた。

・・・そんな作業をしているところから数十メートル離れたところに・・・ユウとシュウがいた。

「・・・お兄ちゃん・・・どうして敵の味方に・・・」
ユウは納得がいかない様子。
「・・・」
シュウは黙ってユウのケガの手当てを続ける。
「・・・ひくっ」
ユウは、また泣き始めた。
「よく分かんないよ・・・僕、お兄ちゃんのことが、好きなのか・・・許せないのか・・・」
ユウが喋りだす。
「お兄ちゃんのこと・・・好きなのか嫌いなのか・・・追いかけなくてもいいって思っちゃって・・・」
「・・・」
シュウは黙って、ユウの言葉の1つ1つを聞く。
「そんなのダメって分かっても・・・敵の味方になったお兄ちゃんが許せなくて・・・みんなをキズつけたお兄ちゃんが・・・」
ユウの中の迷いが・・・涙を誘う。

自分は今まで・・・マコトのことをスキだったのに・・・マコトは仲間を裏切った。
許せないのに・・・追いかけなくていいのに・・・スキが消えてくれない。前までの思いが・・・消えてくれない。

「・・・」
シュウは、ユウの話を聞き終えると・・・ユウの手を、黙ってあげてみせる。・・・ユウはその手を見る。
「お前が・・・アイツをスキなのか嫌いなのかなんて、それはお前しか分からないけど・・・お前は、嫌いなヤツのために、身を投げ出せるか?」
「・・・」
シュウの問いかけに・・・ユウは首を横に振る。
「・・・お前は傷ついたと思う。この腕のキズと同じくらいに・・・でも、ここまで傷ついてまで敵に向かって行ったのって・・・アイツがまだ、スキだからなんじゃないのか?」
ユウは顔を上げる。
「それが分かれば、追いかけるべきかほっとくべきか・・・自分で分かるだろ」
シュウはそれだけいうと・・・掴んでいた手を離して、みんなのところへ歩いて行った。


・・・そうだ。僕がこんなに傷ついたのは・・・お兄ちゃんにもとにもどってほしくて。
もとのお兄ちゃんがスキだから・・・お兄ちゃんがスキだから、こんなに傷つく事が出来たんだ。
お兄ちゃんが本当に嫌いなら・・・ケガなんかしてないよね。

お兄ちゃん・・・ごめんね。不安定になっちゃって。

だけど僕・・・追いかけるよ。もとのお兄ちゃんにもどって、もっと話したいよ。

ユウはそう決心した。


自分の傷跡を・・・見つめながら。
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