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♯51 孤独
2007-01-08 Mon 19:23
・・・次の日

「はぁ~あ、よく寝たよく寝た」
リョウタは、起きてくるなりあくびをする。
「・・・みんな来た?」
カエデが周りを見回す。
「マコトは?」
アキトが言う。
「・・・どこいったの?」
ハナミが聞く。
「・・・・・・・これ、預かった」
フェマが、1つの紙を手渡す。
「あ?・・・」
リョウタがその紙を受け取り・・・開いた。


『1人にさせてくれ。・・・ごめん』


「マコト・・・」
カエデが同情を抱く。
「昨日のこと、気にして・・・」
リョウタが唇をかむ。
「すいません。・・・なんか、僕のせいみたいで・・・」
ケンがすまなそうに言う。
「・・・」
みんなが黙り込む。
「・・・気にすることでも・・・ないと思うけど・・・」
アキトが口を開く。
「結構気にするわよ!早々進化した人は分からないけどね。自分が役立たずで、みじめで、なのに周りはどんどん強くなって。それで昨日、危なくないかって言われちゃったもんね!」
ハナミが反論。

「それよりさ・・・なんでお前、追いかけなかったんだ?」
リョウタがフェマに聞く。
「追いかける?そんな必要が・・・あるっていうのか?」
予想外の答えに・・・みんなが硬直する。
「なんでって・・・パートナーじゃんか!!心配とか、しないのかよ?!」
リョウタが怒った気迫で言う。
「・・・自分がよければいい」

自分がよければいい・・・

・・・自分が生きていられれば・・・マコトは必要ない・・・?

「・・・てめぇなぁ!!」
リョウタが拳を振り上げる。
「リョウタ!」
カエデが止めに入る。
「どけよ!一発殴んねぇと・・・気がすまねぇよ!!」
リョウタが叫ぶ。
「リョウタ・・・」
カエデはその気迫に・・・何もいえなくなる。
「・・・自分が大事な・・・今のアイツに、何やっても無駄だろ」
シュウが冷静な態度で言った。
「・・・マコト・・・」
リョウタは、まだ震えている拳をおろした。
「お兄ちゃん・・・」
ユウはマコトのことを・・・1番心配していた。


・・・そのころ

・・・湖。そこに・・・ただ1人腰を下ろす。

「・・・オレ・・・いいとこなんかあんのかな・・・」
マコトは湖に石を投げ・・・ため息をつく。
「・・・自信・・・もてねぇな」
マコトはそっと言葉を漏らした。


・・・この世界に来て・・・みんな・・・いいところを発揮し、何かを得ている。

リョウタは、いつもながらのリーダーシップで・・・みんなをまとめると同時に、自分の持つ、熱い闘志を見せ付けた。

カエデは、常にみんなのことを考え、自分のパートナーのことを考え、真心もって・・・敵に挑んだ。

シュウは、冷静に、確実な考えと判断をその場でくだし、影でみんなを支えてきた。そして・・・感情を素直に言い表すようになった。

ヒカリは、男のケンカに割って入って、みんなのためだから・・・と頭を下げた。そして、愛情についての何かを得た。

アキトは、責任感を出して、最年長としてのできることを発揮してきた。そして、最年長の役目を、改めて見直した。

ハナミは、常に自分らしく、自分を捨てなかった。何が正しいのかを、自分で考えるようになった。

アミは、どんな敵にもプライドもって立ち向かい、前を見て、未来を信じて戦い続けた。

みんな・・・みんないいところを発揮して、何かを得ているのに・・・自分は、ろくに何かを得てないし、何か発揮したわけでもない。

そして、ユウまでもが・・・自分より先に成長したみたいだった。

勇気を持って、純粋な意見を持って戦いに挑む。・・・もう、1人でなんでもできる。


そして・・・みんなが、その証拠に、次々と進化をとげる。
・・・まぁ、ヒカリは特別らしいので、例外として・・・

自分だけ置いていかれたような・・・孤独感に追われた。

それから逃げるためにと・・・今、1人でここにいる。


「いるだけ邪魔なんだ・・・オレ、1人でいたほうがいいんだよな」
マコトはどんどん孤独感に溺れていく。

何も出来ない、ただ過保護なだけの自分は・・・いるだけ邪魔だ。
いないほうがいい。・・・きっとみんな・・・そう思っている。

勝手に考えを決め付け・・・孤独に入るマコト。


「・・・ねぇ坊や。・・・お困りのようね」
どこからか・・・知らない声がする。
「誰だ?!」
マコトは周りを見回す。
「そんなに警戒しないでよ。・・・あたしはミルフェア」
嫌な感じの微笑で言う。
「お前・・・ハチシモベか?」
マコトが聞いた。
「そうよ?最後のシモベ」
ミルフェアが言う。
「まぁまぁ。落ち着いてよ坊や。いくらなんでも、妖精と離れて、仲間から孤立したあなたを倒そうなんて思ってないわよ。・・・ねぇ。坊やは、進化しない妖精に、頭をかかえているでしょう?」
「・・・!」
図星をつかれて、マコトは言葉を返せない。
「そして、どうしたらいいか、分からないんでしょ?」
ミルフェアの言葉に・・・何もいえないマコト。

「ねぇ。教えてあげようか?坊やが、どうすればいいのか」
ミルフェアが、笑いながら言う。
「・・・敵の手を・・・かりる気はねぇよ」
マコトは視線をそらす。
「つれないわね。今回は、デビフェア様に内緒で、味方になってやろうって言ってんの。最近仕事とか、かったるいしね」
ミルフェアの性格は・・・よく見たらハナミそのもの?
「・・・」
マコトは黙り込む。

「いい?坊やのココロの証は研究済みよ。・・・友情。坊やの心の証はね、友情よ」
ミルフェアの言葉に、顔を上げるマコト。
「つまり、友情の大切さを知ればいいわけ。・・・挑むのよ。・・・坊やの仲間に、勝負をね・・・」
ミルフェアがにやにやして言う。
「できるかよ!」
マコトは反対した。
「大丈夫よ。坊やの友情の証が光ったところでやめればいいんだから。ね?ちょっと仲間に協力してもらうだけじゃない。友情の証を光らせるのを・・・」
ミルフェアの言葉に・・・マコトの考えがゆらめく。
「裏切った坊やの妖精に見せ付けるのよ。仕返ししてやるの。あたしが協力するわ。ね?悪い話じゃないわよ。今回の件については、坊やは悪くないと思っているわ。だから協力するのよ。・・・あたしがいれば、坊やがやられることはないわよ。証が光ったら、あたしがスキを見て逃げればいいの。そうすれば、あたしにとっても悪い話じゃないわ。ストレス発散程度に考えればいいんだもの」
ミルフェアの、うまい言葉。

「さぁ、どうする?坊や」
ミルフェアは、自分の手を、マコトの頬に当てる。


・・・相手は、悪いことをしている敵。
でも、言葉を聴く限り・・・悪い気はしない。
何より、この孤独感から抜け出せる・・・。

少し・・・少しみんなに協力してもらうだけ・・・

「・・・」
マコトは、首を縦に振った。
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