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♯46 罪
2007-01-03 Wed 22:52
「ひゃっほぉおい!ちゃんと個室があるのね!」
ハナミはすっかり有頂天。
「鍵もあるんだな・・・」
アキトが満足そうに言う。
「お風呂はいろっかな」
カエデはそういうと・・・部屋に入っていった。
「あたしも~!」
ハナミも個室に入る。
・・・みんな部屋に入っていく中、シュウは大広間に残ったままだった。

「どうしたの?入らないの・・・?」
フェナが聞いた。
「こんな砂漠に、こんな建物あるほうがおかしいだろ」
「きっと空き家だよ!」
「こんな砂漠に誰が城なんか建てたんだ」
フェナの意見を、あっさり否定するシュウ。
「・・・シュウ、目、赤いよ?また夜中まで起きてたんでしょ!!」
フェナが珍しく(??)いいところをつく。
「・・・」
シュウは黙り込んだ。


アミの告白。・・・カエデの思い。
恋愛に鈍いシュウでも分かる、自分に対するひたむきな気持ち。

それより、自分の鈍さが、相手を傷つけた、アミがカエデに敵対心を持ったのは自分のせい。・・・それが1番つらかった。

「・・・部屋いって休んでくるね」
フェナは部屋に入っていく。
「・・・」
シュウは黙って、らせん階段を上った。


「・・・子供達、快楽の後の悲しみは大きい・・・フフフ・・・」
何者かが言う。
「・・・どうする・・・つもりで・・・」
別の何かが言った。
「うるさい!お前に関係ない!お前は人質となればいいのだ!洗脳マシンを使わないで、おとなしくしていれば!!」
大きく声をふるいあげる。

何かが、確実に動いていた。


・・・頂上

城の頂上だけあって・・・一面砂漠世界の、空がキラキラ輝いている。

「・・・どうすればいいんだろーな、オレ」
シュウはハーモニカを取り出した。
「ったく、イキナリ好きだの言われても・・・」
シュウの中で、気持ちの整理がつかなかった。

アミは、今までずっとそばにいた・・・支えとなった人。なのに自分は、アミの心の奥の思いに気づけなかった。
そのせいで、特に何も悪くないカエデに敵対心を持たせてしまい、カエデにもかなり無理させている。

「はぁ・・・」
シュウはさっきからため息ばかり。・・・手に持ったハーモニカが、どんどん熱くなっていく。

「どうしたの、こんなとこで」
後ろから声を掛けてきたのは・・・ヒカリ。
「・・・お前こそどうしたんだよ」
シュウはそっけなく返す。
「料理がでてきたの。個室に。でも、毒入ってたらやだし」
「料理なんかでてきたのか?」
「えぇ。自動で」
絶対に怪しいと感づくが、それを確かとする証拠がなく・・・頂上にきたみたいのヒカリ。
「・・・さっきからため息ばかり。どうしたの?」
ヒカリは遠いほうを見ながら聞いた。
「・・・」

言うべきか。言わないべきか。・・・きっと関根もこんな思いだったに違いない。

「いいのよ、無理しなくて」
ヒカリが後から付け足した。
「・・・」
本当は、他人に弱みを見せたくないのが本音。でも、今回ばかりは、とてつもなく恋愛に鈍い自分だけでは、解決できなさそうだ。
「・・・昨日・・・」
シュウは話すことを決意。

「別に誰も悪いことはしてないと思うけど」
ヒカリは話を聞いた直後に言った。
「でも・・・」
「アミさんは、シュウさんに知られないようにして隠してたんだったら、知るはずないじゃない。カエデさんだって、こうなること覚悟でいったんだじゃないの?」
ヒカリの言葉に、自然と気持ちが軽くなる。
「・・・あ、大丈夫よ。このことは言わないでおくから」
ヒカリは後から付け足すように言う。
「・・・すまない、色々話しに付き合わせて」
「別に。1人で溜め込むと、体に悪いわよ」
シュウもヒカリもそっけない。でもその中に、言い表せない心配とか、色々な気持ちが混じっているのだろう。


「・・・いいか!くれぐれも洗脳マシンは使うなよ!!」
何者かが、勢いよくドアを閉める。
「このままじゃ・・・証の人間達が・・・なんとかしなきゃ。僕も人間で、仲間なんだ」
もう1人の誰かがつぶやく。
「・・・これだ。誰か1人・・・僕のところにきてくれれば・・・」
・・・洗脳マシンを取り出す。
「・・・はぁっ!!」
マシンのスイッチが押された。


「・・・?・・・」
ヒカリの瞳の色が・・・一瞬変わった気がする。
「・・・どうした?」
シュウが聞いた。
「・・・」
ヒカリは黙って、その場を立ち去った。
「どうしたんだ?」
シュウは疑問になりつつも、ヒカリだから・・・、と大きく気に止めなかった。

・・・いつも通りの、ハーモニカ。でも、音がいつもより輝いていたのは気のせいだろうか。
きっと不安がなくなったからだ。・・・それをなくしたのはヒカリ。
シュウの曲が最高潮のサビに達したかと思いきや・・・

「シュウ~~~!!大変なんだ!すぐに来て!!」
フェナが叫んでシュウのところへやってきた!
「どうしたんだ?!」
「みんなが・・・みんなが倒れてるんだ!!」
フェナが言った。
「え?!」
シュウはあわてて階段を駆け下りる。

「見てよ!みんな倒れてるんだ!!」
フェナがあわてる。
「あれ?・・・よかった!まだいた!!」
泣いてすがってきたのは、ユウ。
「僕ね、お兄ちゃんと一緒にいたの!でも、勝手にでてきた料理食べたら、お兄ちゃん、倒れちゃったの!!」
ユウが説明する。
「さっき出井花が言ってた、自動で出てきた料理って、これのことか・・・」
シュウが腕を組んだ。
「フェムは?」
フェナが聞いた。
「トイレ」
ユウは泣き泣き。
「妖精ってトイレすんのか?」
「するよ」
シュウの質問に、フェナが答える。
「・・・とりあえず、大丈夫だ。お前は、大丈夫だから」
シュウはユウの頭をそっとなでる。・・・寮で取得した、泣いてる子供の扱い方を発揮か??
「・・・うん」
ユウは落ち着いたみたい。

「そーいえば、ヒカリの姿が・・・」
フェナが辺りを見回す。
「僕、見てないよ」
ユウが言った。
「・・・まさか・・・」
シュウが何かを感づいた。

あの、目の色が変わったのは・・・何者かのしわざなんじゃ・・・
それで、ヒカリが・・・
もしそうなら、あのとき、意地でもヒカリを止めるべきだった。もしそうなら・・・自分の責任。

「・・・花山、お前、ここでみんなの様子、見てられるか?」
シュウが聞いた。
「・・・うん」
ユウがゆっくりうなずく。
「じゃぁ、任せた。・・・」
シュウはがむしゃらに外へ飛び出した。
「あ、どこいくのさ~!」
フェナが後を追いかける。
「あ、頑張って!」
ユウは場の空気で言葉を発する。
「うん!必ず戻ってくるよマイハニー!」
フェナはかっこつけてみる。
「あ、おいてかれてる!」
ユウがあわてて言う。
「え、あ、まってってば~~!!!」
フェナはかっこつける暇もなかった・・・


「フフフ・・・完璧だ。後は子供達の始末・・・?」
何者かが、下を見つめる。

「シュウ!まってってば!!」
「まてるか!」
さっきからこれの繰り返し。

「なぜ・・・なぜ子供が!城にいるはず・・・まあよい。先に城の中のヤツを始末すればいい話・・・あの料理をまんまと食べ、いまごろぐっすりのはず」
何者かは、ダッシュで城へ向かった。


「どこにいこうとしてるのさ!ねぇ!」
フェナはひたすら追いかける。
「あそこだよ」
「あそこじゃわかんない!!」
さっきから叫びまくりのフェナ。


必ず・・・必ず助ける・・・!


それは自分の罪を補うための方法だった。
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