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♯45 告白
2007-01-02 Tue 17:48
・・・月の光がそっと照らされた深夜。

「・・・ねぇ」
「・・・なんだよ」
・・・さっきから睨み合っているのは・・・カエデとシュウ。

なんでこんなことになっているのかをさかのぼると、1時間前。

「はぁ~あ、今日は疲れた!寝ましょうよ!」
ハナミがのびをする。
「そうしようよ。疲れちゃったよ」
アキトが賛成する。
「だな・・・暗闇の中、砂漠を動き回るってのも・・・」
「そうよそうよ!!だいたいなんで砂漠にいるのよ?!」
マコトの声に、ハナミが付け足す。
「しょうがねぇだろ。まっすぐ進んだらこうなったんだ!」
リョウタが言った。
「ケンカはやめて、寝ましょうよ」
カエデが言う。
「そうだよ。寝ようよ」
ユウがあくびする。
「そうしよう!お休み~」
リョウタはさっさと寝てしまった。


・・・数十分後

「・・・なんか眠れないな」
カエデがよいしょ、といって起き上がる。

すると、どこからか聞こえる、綺麗な音。

「誰だろ」
カエデがその音のするほうへ向かう。

「・・・シュウ」
カエデがそっと近寄った。
・・・2人きりの空間は、あの夜以来。・・・カエデが告白した以来だった。
「・・・うまいのね。ハーモニカ」
カエデが隣に座る。
「・・・人に言えるほどでもない」
シュウはそっけなく言った。・・・愛想がないとはこのことを言うのだろう。
「・・・ごめんね」
「何が」
突然謝りだしたカエデに、シュウがすぐに言葉を返す。
「ほら・・・だって、シュウが熱出したとき・・・勢いあまってその・・・」

・・・しょうがないじゃない!スキなんだから・・・!

カエデの言葉で、黙り込んでしまったシュウ。・・・それをリョウタに見られたけど・・・リョウタはからかいすらしなかった。

「あ~あれか」
「あれかって・・・」
赤面すらしないシュウに、戸惑うカエデ。
(やっぱあたしって、女に見られてない?!)
カエデの心拍数が上がる。

「あんとき、途中から意識なくして寝ちまったから、それのことか?」
「は?!」
カエデは思わず声を上げる。

あたしの告白のあと黙り込んだのって・・・言葉に迷ってたんじゃなくって・・・

寝てた?!??!!?

※話のあらましがつかめない方は、♯27を読んでね!※

こっちは死ぬ思いで・・・なのに相手が寝てた・・・

カエデは肩を落とす。


でも待って!シュウは頭いいし、話を終わらせるためにそんな嘘ついてるんじゃ・・・

なんなんだ関根のヤツ、勢いあまってって何がだ?・・・オレなんかしたっけな?・・・

そして今現在にいたる。

「ねぇ、それ、本当なの?」
「なに疑ってんだよ、そんなに大事なこと言ったのかよ、お前」
「どこらへんから意識なくしたの?」
「フェナの1人芝居の後、関根が喋りだしてすぐ」

・・・はいはい。よくそんなジャストタイミングで眠れましたね。あたしはそのあと大告白を・・・

「・・・もう、言えないことなのか?」
「言えないっていうか・・・その・・・」
カエデが戸惑う。
「・・・別に、言えないならいいけど・・・んな無理に聞こうとは想わない」
そんなカエデを見たシュウは、言葉を足した。

・・・言うべき?・・・言わないべき・・・?

でも、このままもやっとするよりは・・・はっきり告ってはっきり振られたほうが、すっきりするかもしれない。
だいたい、おかしいのよ。シュウのこと考えるともやもやするのはこのせい。そうよ。あのとき、海から私を引き上げたりなんかするからよ。シュウが。だからちらちら目に入るだけ。

ここで、ここでキッパリしちゃえばいいのよ。

そうカエデは決意した。

「あのね・・・あたしね、シュウが・・・」
カエデは思い切って言葉を発した。

・・・・・・・・・スキ。

カエデはそれだけ言うと・・・そっぽを向いた。

「・・・」
シュウは黙り込む。今度こそ、言葉に迷って黙っているに違いない。
「・・・・・・」
しーん、とした空間。・・・そこに大騒動が起ころうとは・・・

「・・・どういうこと?」
声のするほうを向くと・・・アミの姿。

「アミ・・・」
カエデが言った。
「・・・そんな・・・どういう関係なのよ!!なによ、最近知り合ったばっかのくせに!最近好きになったばっかのくせに!!」
アミが怒鳴り散らす。
「アミ・・・まさか・・・」
カエデが最悪の事態を予想する。

「そうよ!・・・あたしのほうが・・・ずっとずっと好きだった!!」
アミが叫んだ。
「アミ、おちついて、あたしは・・・」
「あたしのほうが、一緒にいた時間も長いんだから!!だけどずっといわないできたわ・・寮のやりくりが大変だもの・・・だから、ずっとそばで手伝うことで、シュウ兄ちゃんの近くにいたかった!!・・・そのためにがんばって手伝いして、寮のこと、いっぱいいっぱい手伝った!なのに・・・最近好きになったばかりのあなたにとられるなんて、認めない!!あたしのほうが、シュウ兄ちゃんのこと分かるもん!ずっと見てきたもの!!」
アミが声がかれるほどに叫んだ。
「いっておくけど、年上だからって引く気はないから!!」
「アミ、待って!」
カエデはそういうものの・・・アミは走り去ってしまった。

「・・・許してやってくれよ、アイツ、昔からそうなんだよ」
シュウがカエデに声をかける。
(アミの方が・・・気持ちが大きい・・・あたしだって、気迫に押しつぶされそうだった・・・)
カエデは不安に飲み込まれる。
人と同じ人を好きになるのが、こんなにつらいということ。・・・しかも、相手の方が、確実に有利。
「ごめんね!あたし、明日、ちゃんとアミに言うから!シュウもごめん・・・あたし、へんなことに巻き込んじゃったみたいで」
「別に・・・お前は悪くないだろ。オレがアイツのこと気づいてやれなかったから、お前に迷惑かけちまって、すまなかった」
「なんでシュウが謝るのよ!あたしは戻るね!」

カエデはそういうと・・・走り去っていった。

「・・・あたし、無理なのかな」
カエデはそうつぶやく。

こんなにもせつなくて・・・悲しい。

カエデはそっと涙を流した。・・・声を出したら、アミに負けそうな気がしたから。
あたしは諦めるべきなのだろうか?

カエデの中に、色々な考えがよぎった。


・・・次の日。

「あっついのよ!砂漠最悪!」
ハナミは文句をたらす。
「ん・・・なんだあれ・・?お城?!?!?!?」
アキトが目を丸くする。
「お、いいねいいね、入ろうぜ!」
リョウタはそういうと・・・入っていってしまった!
「あ、おい、待てよ!」
マコトがリョウタの後を追う。
「入ろ、入ろ~!」
ハナミは有頂天。
「・・・」
カエデは無言だった。


「・・・子供たちです」
「・・・任せたぞ」
「はい。必ず。・・・洗脳マシンは使うなよ!」
「・・・分かりました」

誰かを蹴飛ばすと・・・何者かが出て行った。


子供たち・・・快楽の後は、悲しみがつきものさ。

フフフ・・・ククククク・・・
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