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♯37 未来
2006-12-23 Sat 19:24
・・・あいつが待ってる。
オレたちが・・・救い出す!


「・・・ほら、これをやろう」
グルフェアは、なにかをアミにわたす。
「・・・なにこれ」
アミが疑いのまなざしを放った。
「フェアッチさ。これでお前も妖精を操れるのだ」
グルフェアの低い声に・・・アミは戸惑う。
(なんとかしなきゃ。みんなこれないんだから・・・)
と想いつつも、こんだけ迫力のある、得体の知れない人を、相手にする勇気もなかった。
「・・・大変です!」
部下が入ってきた。・・・慌しく。
「なんのようだ!今は交渉の最中だといったろう!」
「例の子供たちが・・・ドームないに入ってきました!」
「なんだって?!」
(みんなだ!)
アミは一気に勇気がわく。

「ゴラゴラゴルラァ!!今すぐアイツを返しやがれ!」
リョウタがずかずかと入っていく。
「なんということだ・・・」
(いまだ!)
アミは決心を固め・・・走り出す。
「あ、まて!」
部下が追いかけに行く。
「はぁはぁはぁ・・・」
アミはがむしゃらに走る。


・・・ドーム頂上

「あ!」
「さがしたぞ!」
見事にみんなに会えた。
「よかった・・・大丈夫だった?!」
カエデが心配そうに言う。
「うん。平気」
アミは無愛想にいうが・・・内心はかなりほっとしている。
「そういえば・・・おばあちゃん、本当に死んじゃったの・・・?」
アミの言葉に、全員は沈黙。
「・・・」
リョウタが黙ってうなずいた。
「それで、シュウ兄ちゃんは?!」
アミは悲しそうな目で、リョウタを見つめる。
「それが・・どっかいっちまって・・・」
リョウタも困っている様子。
「・・・なんでなんで?!なんでこんなことにあたしが巻き込まれるのよぉおお!!」
アミが納得できない!というように・・・涙を流した。
「・・・そうだよ・・・なんで戦わなきゃいけないの・・・?」
前々からそのことを訴えてきたハナミも・・・座り込んだ。

「そこまでだ!」
グルフェアが現れた!
「くそ・・・進化だ!」
「バカ!」
カエデが叫ぶ。
「そんなことしたら、このドーム壊れるじゃない!」
「でも・・じゃぁお前らやってくれよ」
「水がないんじゃできないだろう?!」
リョウタたちの激しい言い合い。
「じゃぁ・・・僕が空をとんで戦うよ!フェム!」
ユウがフェアッチを掲げた。
「うん!」
フェムがうなずく。

「おもしろい!私と1対1でやろうというのか?!」
グルフェアが笑い出す。
「なにがおかしいんだよ!」
ユウが反論する。
「私をなめるなよ・・・私は、他人の属性をかえることができるのだからな!」
「なんだって?!」
マコトが叫んだ。
「そうさ・・・私は土属性。お前を日属性にかえてやる!」
「うわぁああ!!」
怪しい光がだされる。
「さぁ!これで私が有利になったな!」
「でもでもでも!土と土だから・・・」
ユウが反論する。
「そうかな?・・・ほらよ!」
フェムが投げ飛ばされた!
「フェム!」
フェムがあっけなく倒れる。

「くそ・・・マジで属性かえられてるのか・・・」
リョウタはあせる。
・・・みんなが危機感を感じていた。


・・・ビル屋上

「・・・ね、やっぱいこ?」
フェナが隣でささやく。・・・心配で戻ってきたらしい。
「なにもできないんだよ・・・オレがいったところで・・・なにも変わらないんだ・・・」
シュウが見せた弱音。
「そんな・・・」
「守れなかった。オレが守ってやんなきゃいけなかったのにっ・・・悪いのはオレなんだ」
「シュウ・・・」

そうやって、いつも自分ばかり責めて・・・
自分がダメなときも、自分ばかりを傷つける。
でも、それを周りに見せられない・・・だから溜めるしかない。

見せられる人がいない・・・というより、信じられる人がいない。
親にも、おじいちゃんにも・・・みんなに見捨てられて生きてきた。
それでささえになったのが・・・寮主のおばあちゃん。
なのに・・・その人は・・・ここにはいない。
残されたのは・・・不安と怒りと悲しみと・・・
・・・じぶんが守るべき、寮の年下。


「・・・いるじゃんか」
フェナがなにかを言った。・・・かすかに。
「僕が・・・僕がいるじゃんか!!」
フェナが一気に叫んだ。
「ねぇ?!おばあちゃんが殺されて悲しいなら・・・なおさらみんなのところにいく必要があるんじゃないの?!みんなのところにいけないのって・・・悲しみが溜まってるからなんじゃないの?!なんでさ。僕はシュウに隠すことなく全部話してるよ!だって信頼してるもん!信頼されてるよ!みんなからも、きっと・・・だから、だから自分ばかり責めないでよ!おばあちゃんが殺されたのなんて、シュウのせいじゃないじゃない!・・・僕がシュウを信頼してるように、シュウも僕を信用してよ!僕の前で泣いてよ!」
フェナは溜めてきた思いを話す。
「僕は・・・シュウのためなら、なんだってする」
涙をためた・・・真剣でまっすぐな瞳。

「・・・かっこつけんなよ」
シュウが顔を起こす。
「なんだかんだ言って、結局誰かに頼ってたんだよ、オレ。誰かに頼らず生きるなんてこと・・・できないから・・・」
シュウが立ち上がった。
「どっか・・・いくの?」
フェナが聞いた。
「どこって・・・お前がいけっていった場所」
シュウが走り出す。


・・・ごめんね。隣にいるのに、気づいてあげられないね。
君の心は、まだまだ深そうだけど・・・
こんなに背中がちっちゃく見えたのはじめてだよ。
ねぇ・・・もっと子供になっていいんだよ。シュウ。
ずっと・・・ずっと、僕がそばにいる。

フェナは真剣な顔でついていった。


「うわぁ?!」
アキトが尻餅。
敵の攻撃は・・・激しかった。
「フェム・・・」
敵の攻撃に耐えられず・・・もとの姿に戻ってしまったフェム。
「ユウ・・・ごめんね。僕、役に立てない」
「フェム・・・」
2人は悲しみにくれた。
「これじゃぁ・・・もう戦えない」
「フフフ・・・じゃぁ、これだ!」
なんと・・・みんなのフェアッチが奪われてしまった!
「もう・・・だめだ・・・」
アキトが座り込む。
「これがなければ・・・お前たちはただのクズだ」
まさに最大のピンチ!



『きいとるか?!』
そのころ、シュウたちは、フーミン、ハーミンからのメールをみながら走っていた!
『お前さん、フェアッチが壊れていただろう!ちょっとだせ!直してやるぞ』
シュウがフェアッチをだすと・・・光を出し・・・直された。
『いけ!お前さんの仲間のもとへ!』
フーミンたちはそういうと・・・メールを終えた。
「いこう!」
フェナがスピードを上げた。


「どうしたら・・・」
みんなが途方にくれた。
「・・・あきらめない」
アミが立ち上がった。
「なんのために、こんな戦いがあるかなんて・・・分からない。でも目の前に敵がいる限り・・・立たなきゃいけない」
アミが力強く言った。
「ほほう。お前のフェアッチは奪ってやらなかったのが間違いだったかな?それじゃ、お前からあのよにいってもらおう」
グルフェアが光をためる。
「やめてぇえええ!!」
ハナミが叫ぶ。

・・・アミの中に・・・死ぬ覚悟があった。
でも・・・未来と向き合うために・・・今、自分は敵の前にいる。

「・・・」
アミは目をつぶる。・・・もう駄目だと・・・知ったかのように。



「・・・アミ!」
聞き覚えのある声。
「シュウ兄ちゃん!」
アミの声で・・・みんなが目を開ける。
「シュウ・・・!」
リョウタが顔をゆがませる。
「・・・光線は?!」
「OKOK!僕の存在忘れないでよ~」
フェナが、光線を攻撃し・・・光線を消していた!

「くそ・・・生意気なやつらめ・・・!」
グルフェアが剣幕なかおをする。
「やりぃ☆もらった!」
フェナがフェアッチをみんなに返す。
「なんだと?!ことごとくしぶといやつらめ!・・・」
「・・・あたし、未来を信じる。今の戦いがなんになるのかなんて分からない。でも・・・これが終わらなきゃ、未来はこないと想う」
アミが前を見上げた。

そのとき・・・フェアッチとネックレスが光った。そして・・・

「な・・・なんでフェスが光っている?!」
なんと、眠りについていたフェスが光った。

「ここは・・・?」
フェスが目を開ける。
「・・・君が、僕を目覚めさせてくれたんだね・・・」
「え・・・」
「進化するから・・・のってくれないか?」
「う・・・うん」

・・・光がフェスをつつんだ。

「・・・銀色の・・・キツネ・・・?」
1ちだん2だんとキリッ、とした・・・銀色のキツネ。

「お前・・・えらそうに生き返りやがって!」
グルフェアが怒りに震える。
「お前は間違っている。私がデビフェアにさからったのは・・・間違いではない!」
フェスがはっきり言った。
「生意気な!」
「いくぞアミ!」
「属性をかえて・・・」
「私は無属性。属性を持たぬ妖精だということを忘れたのか!」
「なんだと・・・」
「いくぞ!」

激しい打ち合い。

「お願い・・・がんばって!」
アミが必死に叫ぶ。

その瞬間・・・大きな光がつつんだ。

「そんな・・・私がこんなものごときにっ・・・うわぁああああああ!!!!!」

グルフェアは・・・光となった。


「・・・やった・・・のか?」
リョウタが目を見開く。
「やったんだ!勝ったんだ!」
みんな大喜び。

「・・・そうだ、いつまでも、アイツじゃアレだしな。名前なんていうんだ?」
リョウタがアミに聞く。
「アミ。・・・穂高アミ」
アミが言う。
「そうだ、私も、この場をかりて。・・・私はフェスだ。前まではデビフェアの仲間だったが・・・今は・・・アミの妖精だ」
クールな♀の妖精。
「そっか・・・これで9人目の誕生ってわけだ」
アキトがにっこりといった。

「なにあれ!」
カエデが空を見て叫ぶ。
空は・・・一面の黒。
その中に点々と見えるのは・・・まさに、妖精たちの世界。

「なにあれ~!」
大人と子供・・・この世界のすべての人が・・・この奇妙な空を見つめた。



・・・ついに妖精の世界が・・・人間界に姿を現した。
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