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♯26 判断
2006-12-11 Mon 20:23
「・・・ゴホッ・・・」
「シュウどうしたんだ?風邪か?」
さっきからせきしてばかりのシュウに、リョウタが一声かける。
「環境が、人間の世界といきなりかわったからね・・・」
アキトが心配そうに言う。
「・・・でも・・・カエデが戦った2重属性って、強いんだろ?」
マコトが聞く。
「えぇ・・・2つの属性をもっているから、弱点が隠れちゃうの」
カエデが不安げに言った。
「そっか・・・だんだん敵も強くなってるってことなのね」
ハナミが分かりきったように言った。
「僕たち・・・帰れるのかな・・・」
ユウが不安げに言う。
「大丈夫!オレらもしっかり強くなってるジャンか!」
リョウタがユウの背中を押す。
「そうだよ。諦めちゃいけないよ」
フェアも声を出した。
「そうよ・・・頑張りましょ」
カエデも笑いかける。
「うん」
ユウがそっとうなずいた。


・・・

『全く・・・わがハチシモベが3人もやられたとは・・・あなどれんな・・・例の子どもたちよ・・・ククク・・・』
『次は私ですね?』
『ほほう・・・お前か』
『はい。子どもたちは、イマイチ団結力がないとみました。そこにつけこむのです。1人失えば・・・みんな崩れるのです!』
『そうか・・・その心理作戦に期待しよう』
『はい・・・デビフェアさまのためにも、必ず成功させます』
『たのんだぞ・・・ククク・・・ウワハハハハハハ・・・!』


・・・夕方

「はぁ・・・おなかすいちゃった」
ハナミがへろへろと座り込む。
「じゃぁ、僕とフェロが食料調達にいくよ」
アキトはそういうと、フェロを連れて消えていった。
「・・・ねぇ・・・大丈夫?」
カエデがシュウの顔を覗き込む。
「ホント、顔赤いけど、大丈夫なの?」
そっけなく聞こえるが、じつはかなり心配しているヒカリ。
「ほら、シュウ、夜中まで起きてるからそういうことになるんだよ!よく寝て食って運動!これが健康の原則だよ」
フェナが心配そう、かつふざけつつ言った。
「まぁ、でも、バカは風邪ひかないって言うしね♪」
ハナミがリョウタをじいっ、と見て言う。
「なんだよハナミ!オレはバカだって言いたいのか?!」
「だってそうじゃない」
「んだと、そんなの・・・」
「お前はバカ」
みんなが声をそろえて言った。
「・・・く~~~!」
リョウタは泣きまね。

・・・そのころ

「あ!木の実発見!フェロ、とってきてくれないか?」
アキトが木の実を指差して言う。
「はいはい、わかりましたわ」
フェロがあきれたように取りに行く。
「・・・アキトはん!」
フェロが2つの実を持ってきていった。
「これ、1個は普通の実、もう1つは、状態悪化の実でっせ。健康な人は別に食べても問題ありまへんが・・・」
「なら、どっちでもいいじゃないか!味は変わらないんだろ?いいんだよ」
「でも・・・」
「いいじゃんか。最終的に判断するのは、年上である僕だ。大元を作るのは僕なのさ」
アキトはそういうと、2つの実を持っていった・・・。

「おまたせ!取ってきたよ!」
アキトが実をかかえて走ってくる。
「おぉ、まったぜまったぜ」
リョウタが機嫌を取り戻し・・・わくわくしている。
「そんなにせかすなよ。ほらよっ、と」
アキトは持ってきたナイフで実を均等に切ると、みんなに配った。
「いただきまぁす!」
みんながそれを食べ始める。
「今日のは、なんか2つとも味かわんないよ」
ユウがしょんぼり。
「そうかい?・・・2つとも僕が選んだんだけどな」
「空回りなんだよ」
マコトが言った。

「食べないの?」
カエデがシュウを見ていった。
「シュウ、風邪のときは食べるのが一番さ!」
アキトが言った。
「そうだ、早くなおして、戦わなきゃな」
リョウタが笑いながら言った。
「・・・」
シュウはそっと口に運ぶ。
「まってくだはい!」
フェロがそれを止める。・・・でも遅い。

「シュウ?!」
シュウの息が荒くなり・・・倒れた。
「え?!」
アキトは混乱。
「アキトはん!忘れたんですかい!1個は普通の実。もう1個は、状態悪化!シュウはんの風邪という状態をますます悪化させてしまいましたで!」
フェロが少々怒り気味に言う。
「おい・・・なんでそれ言わなかったんだよアキト!」
リョウタが問い詰める。

「・・・なんで服がぬれてるのよ・・・」
カエデがシュウの服をそっとさわる。
「なんで?!なぜなに?!どうして?!」
ハナミはすっかりパニック。
(まさか・・・!)
カエデの頭が・・・昨日の出来事をよみがえらせる。


・・・真夜中までおきてたシュウ。
ぬれてる服。・・・そして・・・風邪。


昨日、海の中に入って・・・あたしを助けてくれたのって・・・


カエデの中に、そんな考えがよぎる。

「・・・どうすんだよ!お前最年長だろ?!なんでこんな判断ミスしたんだよ!」
リョウタがアキトをせめる。
「というか、なんで気付かなかったんだ?!シュウが我慢してたこと」
マコトも一緒になる。
「お前の親、医者だろ?!このくらい、気付けたはずだ!」
リョウタの一言が、アキトの堪忍袋のおをきらした!
「・・・なんだと?!、そりゃ、僕のミスが悪いことくらい分かってるさ!申し訳ないよ!でも・・・じゃぁ君たちは気付いていたのか?!シュウがそういうのを我慢する奴だってことは十分承知さ!気付くべきだと思ったさ!・・・でもっ」
アキトの中に、罪悪感がよぎる。
「最年長を、都合のいいときだけ使うのはやめてくれないか?!いつもは勝手に判断ばかりしてつっぱしるくせに!」
リョウタにむかって言われた一言。
「んだと・・・!いいやがったな!」
リョウタの拳があがる。

「・・・やめろ」
リョウタの拳を止めたのは・・・シュウ。
「お前・・・寝てろよ・・・」
リョウタの顔がおちつく。
「ケンカしてんじゃねぇよ、オレは大丈夫だから」
シュウはそういうも・・・ドサッ、と倒れた。
「・・・あんたたち!なに病人にケンカとめられてんの?!バカじゃない?!」
カエデが叫んだ。

・・・仲間の団結が崩れていく。

それをひそかに、笑うものがいる・・・

『さぁ、計画を始めよう。すばらしいよ。僕が君たちで遊んであげる・・・。』
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