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♯20 互い
2006-12-04 Mon 22:14
・・・風の音だけが異様に響く。
優等生の裏側にあった・・・弱い自分。
リョウタたちは、なにも言えずに立ち尽くしたままだった。
「おーい!フェロおすすめ!バナナスプリッツ味の木の実が見つかったんだ!たべなぁい?」
堂々と入ってきたアキトに・・・空気読めよドアホ!という目線がみんなからおくられる。
・・・ハナミやユウが切ない顔で見守る。

ぐうぅぅぅぅ~~~~~・・・・
「いけね!」
リョウタのお腹がぐーぐーなる。
(なにやってんのよこんなときに!)
(うはぁ!カエデの心の声が、テレパシーで聞こえる~~!)
カエデのにらむ様子に、反応するリョウタ。
「そろそろ夕飯にしたらどうだ。腹がぐーぐーなってるときに話し合いしても無駄だろ」
シュウがさりげなくリョウタをカバー。
「・・・そうよ!あたし、お腹減っちゃった」
ハナミがシュウのテンポにのる。
「はよ食べましょ!この実はうまいでっせ」
フェロが口を開く。
「バナナスプリッツていう、今流行のお菓子の味さ!うまいぞ~」
アキトがにんまりとする。

・・・ほんのり、いい匂い。

「・・・そっか・・・そんな過去が・・・」
アキトは考え込む。
「知らなかった・・・ヒカリは完璧だから、親も満足してると思ったのに」
カエデが心配そうに言う。
「贅沢な親だぜ。オレなんてよ、ヒカリを嫁にしてぇぐらいなのに」
リョウタが真顔で言ったので
「なに考えてんだよお前っ・・・!カエデというものがありながら浮気かっ?!」
マコトがこれまた真顔で言ったため
「ちょっと!勝手にあたしとリョウタをくっつけないでよ!こんな奴、地球上に2人きりになっても好きになんかなんないし!」
「そーですか!オレだってお前なんかまっぴらごめんさ!お前と一緒にいたら、家宅崩壊されて、慰謝料請求されるだけだからな!」
「言ったわね~!あんたなんて、ただの野球バカのくせに!」
「なんだとぉ?!お前こそバリバリ陸上女だろ?!・・・それに知ってるか?!こいつさ、カラオケマシン壊したんだぜ!自分の歌声で!まさにジャ●アン並みのオンチさだよな!」

そんなこんなで、だんだん、ヒカリから論点がずれていった・・・。

「なに結婚話してんだよ。だいたいなんでそんなに論点ずれんだよ」
シュウがあっさり止めた。
「リョウタがヒカリを嫁にしたいとかいうからよ!」
カエデはかんかんに怒っている。
「悪いか!お前とヒカリを比べたら、ミジンコと恐竜並みの差だからな!」
リョウタはふざけ半分。
「デリカシーのない男はモテないわよぉ?」
ハナミがツッコむ。
「うっせぇ!じゃぁどんな奴がデリカシーあんだよ?!マコトか?!」
リョウタが勢いをつけて言う。
「なんだよ!オレが女慣れしてるってのかっ?!」
「なんかしてそうだな・・ユウ、お兄ちゃんの部屋に入ったことある?」
リョウタがユウに聞いた。
「ある!春休みに会ったんだ!」
「でかした!そこに女の子の写真なかったか?!」
「なんてハレンチなこときいてんだよ!」
マコトが止めに入る。
「あった!」
ユウがにんまりという。

「やっぱり!女慣れしてんじゃん!」
リョウタがくすくす笑う。
「女の子と仲よさそうだった!ずいぶん昔の・・・幼稚園のだったよ」
ユウが言葉を加える。
「幼稚園の切ない初恋か~。泣けるね~」
アキトが手を組む。
「お相手は誰よ?」
カエデが聞く。
「~~~~~・・・・一歳下の・・・ってなにいっちゃってんだよ!」
マコトが頭を左右に振る。
「年下か~。今でもすきなの?」
ハナミがにっこりして聞いた。
「いいじゃんか!このさい、今日は切ない初恋物語でもかたろうじゃん!」
リョウタがばんざいしながら言った。
「いいじゃない!誰だか知らないんだから、今そばにいるのかぐらい!」
カエデものってきている。
「じゃぁ、こうしよう。僕の持ってるコインが、表向いたら僕の初恋物語を語るよ。裏だったら、キミの物語を語ってくれよ」
アキトが言った。
「けってー!投げようぜ・・・そぉれ!」
リョウタがそのコインを奪うと、投げた。

ポーン!

「・・・・・・裏だ!」
アキトが叫ぶ。
「はいけってー!約束は守るのが男ってもんだろ~!」
リョウタがコインをアキトに返す。
「・・・しょうがねぇな。学校でばらすんじゃねぇぞ?」
マコトが顔を赤面させる。
「・・・シュウ、どこいくの?これからがいいところじゃない」
カエデが言った。
「・・・つきあってられるかよバカバカしい」
それだけ言うと、どこかに言ってしまった。
「・・・幼稚園で、仲良かった子がいてさ。でもその子・・・2年で引っ越したんだ。・・・で小3の春に帰ってきて、2年なにもできず・・・ってかんじだよ・・・そいつ、オレのこと忘れてるし。・・・でも、今、やっと前進ってかんじ」
マコトの意外な物語。
「やっと前進したのね!・・・でも、そのこ覚えてないんでしょ?」
カエデが真剣に問う。
「まぁ・・・また1からって感じか」
マコトが苦笑い。
「そっか・・・もとの世界にかえったら前進だ!告白まで、俺らがしっかりアプローチ!」
リョウタがキューピットのまねをする。
「バカ!」

騒ぎ声が響いた。

・・・そのころ

「ヒカリさん。みんなのとこ行かないの?」
少し離れた崖で・・・1人座るヒカリ。・・・心配するフェネ。
「・・・なんか不安だし。迷惑かけたくないっていうか。気を使わせたくないっていうか・・・」
みたところ、かなり迷っている様子。
「いけばいいと思うけど」
いつの間にいたんだろう。シュウが隣にどかっ、と座った。
「戻ってきたんだから、いつもどおりしてろよ」
シュウがさりげなく口を開く。
「そうだよ~。オレ、またネジとれちゃうよ~」
フェナが言った。
「愛がないからひからないんじゃないんだと。ココロの魔力と、地球50周分の体力だってさ」
「・・・?」
「だからさ。過去にどんな経験したのか知らないが、今は違うだろ。みんながお前のこと考えてる。ああ見えて、仲間思いの奴ばっか集まってんだよ、この班。この班にいるうちに・・・愛ぐらい分かるようになるだろ」
「・・・うん」
ヒカリが立ち上がる。
「あ、そうだ、戻るついでに、黒帯返してもらえよ。リョウタとマコトから」
シュウはそれだけ言うと、ハーモニカを吹き始めた。

「・・・シュウ~。なんでこんな脇役けいの役ばっかすんの?みんなに、堂々とヒカリの様子見てくるよって言えばいいのに」
「いえるかよ」
「意外に恥ずかしがりや?」
「んなわけないだろ」
シュウはちょっと怒り気味。

「ヒカリ・・・ちゃんと愛を分かれるかな?」
「はん、大丈夫だろ。分からなかったら、オレが愛してやるよ」
「へ?」
フェナは目を丸くする。
「愛が欲しいならくれてやるさ」
「・・・ちょっと!それがどういうことを意味してるか分かってんの?!恋愛経験値なさすぎでしょ?!」
「まぁそれはおいといてだ、互いにぎこちなくしててもしかたないだろ。ぎこちなさがなくなればさ・・・互いに普通にできればいいんじゃねぇの?・・・たぶんさ」

互いに普通に・・・。ヒカリが追い求めていたもの。

そして・・・それを追うヒカリの姿が・・・今後シュウをどのようにかえていくことになるのか・・・。


それは・・・互いに分かち合わないと・・・知ることはできない。
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