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~summer 1~  再び、ここに・・・
2008-03-19 Wed 22:47
「・・・ん・・・」
意識が朦朧とする・・・

・・・まずは、覚えていることを整理しよう・・・


オレは赤川リョウタ。中学1年、野球部。うん。覚えてる。

今日は、関根カエデ、竹松マコト、古泉シュウ、出井花ヒカリ、奥大辞アキト、森風ハナミ、花山ユウ、穂高アミとの約束で、映画を見ることになったんだっけ・・・

そう。2年前の冒険の終わりが、今日だったんだ。

だから、冒険した9人で集まって、映画見てたら光がヤバくて・・・・・・


・・・そうだ!思い出した!!


「みんな?!みんなは?!」
すべてを思い出したリョウタは、がばっ、と起き上がり、声をかける。

「大丈夫よ」
横から声をかけてきたのは、カエデだ。

「なんだなんだ?!せっかく映画見てたのに・・・」
アキトは不満そうだ。


「この世界・・・2年前の・・・」
「あ・・・」
シュウの一言で、全員が辺りを見回す。

・・・そうだ・・・この風景・・・

2年前、9人で冒険した、あの異世界だ。間違いない!!


「どうして、今さらこの世界に?」
マコトは、座り込んで考える。

「待って!この世界に来たなら・・・フェンに会える~~!!!」
ハナミは涙して叫ぶ。


・・・そう。2年前・・・子供達は、パートナーの涙の別れをしていた。

それ以降、1回も会っていない。

ここの世界に来たということは、パートナーに会えることになる。


「そっか!会えるんだね、フェムにっ!」
ユウも、満面の微笑みを浮かべる。

「でも、待って。妖精が誰1匹いないわ。何かあったんじゃないの?」
現実を見ているヒカリは、現実問題を挙げた。

「そうだそうだ!なんでこの世界にきたんだ?!僕たちは!どうやって?どういう目的で?!」
アキトも、現実主義なようだ。


「とりあえず、誰かいないか探そう」
「そうね・・・」
リョウタの言葉に、うなずくカエデ。

・・・森の中(森というより、ジャングルに近い)を歩き回る子供達。

「ふぅ・・・あっついわねぇ・・・」
汗をぬぐうハナミ。

「なんの手がかりもないな・・・」
「疲れたよ、お兄ちゃん」
ため息をつくマコトをよそに、弱音を吐くユウ。

「どうすれば帰れるのかしら・・・万が一のことを考えて、最低限の生活用具があればいいんだけど・・・」
カエデが、心配して言った。

「そうだな・・・みんな、何持ってきたんだ?」
・・・と、いうわけで、全員の持ち物チェックが行われた。


~リョウタの持ち物~

・10点のテスト  ・カードゲーム一式
・ゲーム機(ソフトつき)  ・CD


「ろくなものが入ってないな」
呆れかえるマコト。

「しょうがないだろ?!こんなとこに来るなんて、分からなかったんだから」
「・・・にしても・・・10点のテストは・・・」
反抗するリョウタに、再び愛想をつかすカエデ。


「そんなこと言うなら、お前らの持ち物見せろよ?!」

・・・と、言うわけで。

~カエデの持ち物~

・携帯  ・くし  ・ティッシュ  
・ハンカチ  ・マンガ


「最後のマンガは必要なのか・・・」
「しょうがないでしょ?!友達にかりてから、待ち合わせ場所に行ったんだもん!」
マコトの言葉に、必死に反抗するカエデ。

「次はマコトな~!」
リョウタは、強引にマコトのカバンを奪い取る。


~マコトの持ち物~

・ポケベル  ・小田切山隆三郎のサイン
・リストバンド  ・ノート


「小田切山隆三郎のサインはなぜ・・・?」
「友達からもらったんだ」
アキトの挙げた疑問に、恥ずかしそうに答えるマコト。

「次はアキト!」
リョウタの指示で、アキトのカバンを強制チェック。


~アキトの持ち物~

・筆記用具  ・参考書  ・ノート
・映画“男の演歌”パンフレット


「勉強道具ばっかり・・・」
「パンフレットはいつもらったんだ・・・」
みんな、すっかり呆れかえる。

「塾の夏期講習帰りだったんだ!しょうがないじゃないか!」
アキトも、必死に反論。

「はぁ・・・まともな持ち物持ってきてるヤツはいないのか?」
「はいはーい!」
リョウタの言葉に、名乗りを上げたのはハナミだ。

「見てみて~!!」

・・・ハナミのバッグ、オープン!


~ハナミの持ち物~

・携帯  ・チョコ  ・キャンディ
・おしゃれポーチ(グロス・アイプチなど)
・ジャニーズのプロマイド


「ジャニーズのプロマイドは必要なのか・・・?」
すっかり呆れるアキト。

「いいじゃない!プロマイドぐらいあったって!」
ハナミはぷんすかしている。

「でも、おやつがあるから、食料にはなるわね」
カエデは、チョコとキャンディを見て言った。

「次!ユウ!」
「はい!」
言われなくても分かってる、とでも言うように、ユウはリュックを差し出した。


~ユウの持ち物~

・スナック菓子  ・スケッチブック
・水彩色鉛筆  ・女の子からのラブレター


「浮気者~~!!離婚よ、離婚!!!!」
持ち物を見て、すかさず叫んだのはアミだ。

「ちっ、違うよ!もらおうとしてもらったんじゃ・・・」
「言い訳しないで!!なんでラブレターなんか持ち歩いてるのよ?!あたしに別れを告げたいわけ?!」
ユウの言葉は、アミの叫びにかき消される。

「まぁまぁ。そんなに言うなら、アミのカバン見せてくれよ」
「・・・浮気者・・・バーカ・・・のろってやる・・・」

・・・今のアミにこの世の言葉は通じない(アミの脳は、あの世にいっちゃってる)ので、勝手に持ち物チェックすることに。

~アミの持ち物~

・携帯  ・映画のパンフレット
・2年前にユウからもらった虹色の羽
・雑誌


「ユウからもらったやつが入ってる!」
「うっそぉ~!意外!」
みんな、驚きを隠せない。

「そうよ、そうよ・・・あたしは愛してたのに・・・あのガキ、浮気しやがって・・・」
「頑張ってアミ!あたしは恋する女の味方よっ!!」
いっちゃってるアミに、声をかけるのは・・・ハナミだ。

「うん・・・ありがとぉ」
「よしよし!もらい泣きしちゃったぁ~!」

・・・2人で抱き合って泣いてる姿は、母と子のように見えたり、珍ペアに見えたり、バカ同士の慰め合いにも見える。

簡単に言ってしまえば、2人とも、いっちゃってる。


「うぅ~ん。ここで生活していくには不十分だ・・・シュウ!君は何持ってきたんだ?」
腕組みしながら、アキトが聞く。

「大したものは持ってきてない」
相変わらずの無愛想で答える。

「そうだね、シュウのバック、軽そうだもんね」
(分かってるなら聞くなよ・・・)
アキトの軽率な発言に、シュウは、ややウザさを感じている。

「そうだ。ヒカリのバックだけ、やけにデカいし重そうだけど?」
話を変えて、リョウタが聞き出す。

「日本で数日間過ごせる用意をしてきたから」
アメリカから来て、空港からやってきたヒカリは、相当な量の荷物を持っていそうだ。

「よっしゃ。ちょっと見せてくれよ」
リョウタの言葉で、ヒカリは、中身をポイポイ出していった。


~ヒカリの持ち物~

・携帯  ・着替え  ・財布(ドルと円)
・食べ残しのお弁当とお菓子
・お弁当(帰りの飛行機内で食う予定)
・スポーツドリンク  ・小型テレビ
・みんなへのお土産(アメリカのお菓子)
・腕時計  ・入国審査のカード
・ハンカチ  ・ティッシュ  etc・・・

とにかく大量で、出しても出してもきりがない。


「食料が結構増えたな」
リョウタはちょっと満足げ。

「この食料が尽きる前に帰れるか・・・せいぜい、誰か妖精を見つけられるか・・・だな」
マコトは、ふぅ、とため息を漏らす。



・・・なぜ、誰もいないのか??

・・・なぜ、この世界に再びやってきたのか??





子ども達の、2度目の長い夏は・・・




まだ、始まったばかり。
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