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♯74 幻
2007-03-10 Sat 20:48
「・・・」
さっきからピクりとも動かないアミを、黙って見つめるユウ。
自分を守ろうと、身を投げ出した。・・・・・・しかも、お礼を言って去っていった。
「・・・アミ・・・」
フェスがアミに声をかける。

泣いていたって・・・何も変わらないのは分かってる。
でも、でも今は・・・悲しみしか考えられない。

「アミさん・・・」
ユウはアミを見つめる。
「・・・泣いちゃっていいよ!気が済むまで!」
何を言うのかと思ったら、ユウはとんでもないことを・・・?
「ユウ!何言ってるの?!」
フェムはユウの気が分からない。
「だってさ、悲しいときには泣かないとでしょ?泣かないと状況は変わらないけど、悲しいのは止められないもん」
ユウはぶっきらぼうに言う。
「泣いてパワーを溜めて、それを倍返ししてやるんだ!」
「ユウ・・・」
「女の人の涙は怖いよ。泣いた後が無限大だもん」
フェムの言葉をさえぎるように、話を続けるユウ。
「だから、アミさんが立ち直るまで、僕が時間を稼がなきゃ。頑張ろう!フェム」
「・・・うん!ユウと一緒に、頑張る!」
2人は強敵、ピエロ兄弟に立ち向かう。
「何度きてもムダなの。勝てないの」
「そうなの。僕ら兄弟は無敵なの」
ピエロは超余裕。
「行くよフェム!」
ユウはフェムに飛び乗る。
「ピエロ爆弾なの!」
「フェム!頑張って!」
・・・激しい死闘が続いた。
「しぶといヤツなの!」
「ここで負けられないんだ!」
攻撃の相打ちが続く中・・・アミは・・・?

「・・・」
アミは黙ったままだ。
「アミ・・・ユウが、ユウが必死になってくれてる」
フェスは上空で戦うユウを見る。
「頼りない、天然なヤツだと思ってたが、ちゃんとアミを守ろうとしてくれている。アミだって、泣いている場合じゃないことは分かっているはずだ」
フェスはアミを見て言った。
「・・・ユウ・・・」
アミは小声でささやく。


「うわぁぁぁぁぁああああ!!!」
敵の攻撃の衝撃で、ユウはフェスから落ちてしまった。
「ユウ!」
さっきまで泣いていたアミが、猛ダッシュで走り出した!
「うわぁぁあああ!!」
「ユウゥゥウウ!!」
アミは叫びながら・・・大ジャンプでユウをキャッチ。そのまま倒れた。
「・・・いっ・・・たぁ・・・」
「アミさん!」
ユウは心配そうにアミを見る。
「大丈夫?!」
「うん。こんなぐらいで倒れないわよ」
「よかったぁ・・・」
ユウはほっとした様子。
「アミ!」
フェスが駆けてくる。
「・・・ユウをあれだけ説教したんだもの。あたしがめげてちゃ、ダメね」
アミは不器用そうな笑顔で言う。
「頑張ろうね!」
ユウは、はにかんだ笑顔で言った。

「ユウ~、こんなムードのときに悪いんだけど・・・もうムリだよ~・・・」
フェムが弱弱しく近寄ってくる。
「ハード体2体を相手に、スーパー体1人だったもんな・・・」
フェスは舌打ちを打って言った。
「ほらほらなの。やっぱり勝ち目はないの」
「そうそうなの。諦めるなの」
ピエロ兄弟は、余裕の顔を見せる。
「くそ・・・アキトがいれば、ウルトラ体になれるんだが・・・」
「2人だからね・・・」
フェスとフェムは、諦めの表情。
「~~・・・もう・・・ここで負けたくないの~~!!!!!」
アミは、ピエロに向かって走り出した!
「アミ!」
フェスが止めるが・・・それでも走っていく。
「自ら、死にやってきたなの?まぁいいなの。それなら・・・」

バコッ!!

ピエロが言ったのもつかの間、アミはピエロを殴っていた!
「な・・・なにするなの!」
「フェアリーモンスター同士で戦ってダメなら、素手で戦うだけ!」
アミはピエロを殴るわ蹴るわ投げ飛ばすわ・・・
「・・・やっぱり・・・涙の後の女の人は怖いね・・・」
ユウは唖然。
「よくも・・・よくもやったなの!こうなったら・・・」
ピエロはスイッチを押す。

ガガガガガ・・・

「何っ?!」
フェムは驚きを見せる。
「これぞ、兄弟合体なの!」

出てきたのは・・・巨大な玉。

「軽い空気の玉に、僕らピエロが乗るの。はい。巨大合体なの!」
あまりに不釣合いなピエロと玉の大きさに唖然の2人。
「いくなの!これでつぶしてやるなの~!」
ピエロの反撃!
「また逃げるの~~?!」
ユウは嫌そうな声で言う。
「このままじゃ、やられちゃうよ!」
フェムが言う。
「でも、どうするの?!あんなデカイ玉にのってるんじゃ、素手で攻撃もできないわよ!」
アミは焦りを見せる。
「どうすれば・・・」
フェスも考えが浮かばない。

「うわっ!!」
ユウが転んでしまった!」
「ユウ!」
アミが近寄る。
「チャンスなの!踏み潰してやるの!」
ピエロの接近。・・・もうダメだと諦めたとき・・・

ビュォォォォォォォオオオオオ!!・・・

突然、大きな風が吹いた!普通では考えられないほどの、幻の風!
「うわうわうわなの!」
ピエロ転落!そのはずみで、持っていたフェアッチプログラムを落とした。
「!・・・今のうちよ!」
アミはそれに気づき、ダッシュで走る。
「やったわ!ゲットよ!」
「しまったなの!」
ピエロは焦る。
「ユウ!」
アミは、ユウにフェアッチプログラムを投げる。
「ありがとう!」
ユウはそれをキャッチする。
「反撃だよ!」
ユウは立ち上がって言う。

フェアッチとフェアッチプログラムの連動。そして・・・

「ハ・・・ハード体になるよ!!」
フェムとフェスは、ハード体となった!
見かけに強化が加えられ、いちだんと強そうに見える。
「く・・・くそ~なの!でも・・・負けないの!」
兄弟ピエロの攻撃!
「こっちもだ!」
2人の攻撃!

ドッカァァアアン!

相打ち。激しい爆発音。

バンッ!
ドカンッ!!

その後も相打ちが続く。
「これではキリがない。まず、どっちか1人を倒すぞ!」
「うん!」
フェスの言葉に、フェムが頷く。
「やっちゃうなの!」
ピエロは攻撃態勢。
「まずはそっちのヤツ!」
フェスが猛突進。
「上空からも攻撃~!」
「な、集中攻撃なんてずるいの~!」

うわぁぁあああ!!

「やったぁ!1人倒したよ!」
ユウは有頂天。
「あと1人いるわ。油断大敵よ」
アミは冷静に言う。
「・・・悔しいなの!弟をよくも・・・許せないの!最大パワーピエロ爆弾!!」
「最大パワーで攻撃だ!」
「うんっ!!」
フェム、フェス、ピエロ・・・みんなで最大パワー攻撃!!

ドッカァァァァァアアアアアン!!!

・・・煙に包まれる。

「そ・・・んな・・・なの・・・まさか、まさかぁぁあああ!!」
ピエロは消えて、天に昇った。
「や・・・やったぁあ!」
ユウはバンザイをする。
「やったよユウ!」
「うん!」
「アミ、倒したぞ」
「ええ」
パワーを使い、もとに戻ったフェムとフェスは、2人のもとへ。
「・・・そうそう。あの風があったから、一気に形勢逆転したんだよね!幻かと思うほどに、よくできた話だったよね!」
ユウが言う。
「そうね・・・あら?何かおちてるけど・・・」
アミはそれに近寄る。

「羽だ・・・3枚あるよ」
ユウがそれを手にもつ。
「虹色だぁ!キレイだね!」
フェムが言う。
「ねぇ・・・もしかして、これ・・・」
アミは何かを感づく。
「あの、迷信の、幻の鳥の羽なんじゃないの?」
アミが言った。
「あ・・・そうだよ!きっと・・・きっと!!」
ユウは笑顔を見せる。
「あの話、本当だったんだな。迷信じゃなくて」
フェスは驚いている。
「3枚あるよ。どうしよう」
フェムが言う。
「・・・1枚・・・あの、ネズミにあげていいかしら?」
アミが聞く。
「・・・そうだね。天国で、仲間と幸せになってもらえるように・・・」
ユウは、1枚の羽を、風にのせた。・・・羽は、ひらひらと飛んでいった。

「それじゃぁ、この1枚は僕ので、もう1枚は、はい!」
ユウは、アミに羽を渡す。
「・・・あ、ありがとう」
アミはそれを受け取る。
「僕ね、これ渡す人、決めたんだ!」
「え、そうなの?」
「うん。カエデさんと一緒で、デビフェアに勝ったら渡すんだ!」
「戦いの最中、よく考えられたわね」
「ううん。考えなくても分かった。僕に必要なのは、この人だ、って」
ユウは笑って見せた。

「なんだ?!体が・・・」
フェスが驚くように言う。
「もとの世界に帰るんだ!」
フェムが答えるように言った。


幻・・・それは遥か彼方のもの。
でもそれが、目の前で起こったとき、心のどこかの気持ちが・・・動き出す。


・・・風にのせた、3枚目の虹色の羽は・・・幻の風にのって、空高く舞い上がった。
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